
の一様化(同一設計仕様)を実現するゲインを計算した。以前のゲインは、ノミナル値毎に制御特性の若干の変動をもっていた。 ●ゲイン表の補間:パラメータが表のノミナル値の間に位置する場合、従来のゲインは近接するノミナル値のものを設定するため、パラメータ誤差の影響を含んでしまう。そこで、ノミナル値間でゲインを補間する算法を設計した。 ●船速修正:船速変化に伴う船体特性変化が制御性能に反映するため、パラメータを現船速と船固有のサービス速度との速度比で修正した。 (2)同定系=前年度の同定方式では変針時に充分な一定角速度時間を必要としたが、このような変針は実際少ない。一定角速度時間を必要としない同定アルゴリズムを下記の改良で設計した。その結果・シミュレーションでは、改良後の同定誤差は従来に比べ、1/10以下に低減できた。 ●モデル近似誤差の改善:以前は操舵機特性と補償系のフィルタ特性を無視していたが、それらの特性を考慮した。 ●参照する測定値の改善:以前は加速・減速モードの終了時の二つの値のみを用いていたが、測定値を2点から10点にした。 ●同定算法の改善:以前は加速・減速モードに対する二つの同定値により最終同定値を決めていたが、測定された10点のデータに統計的手法を導入して、測定値と規範モデル値との誤差を最小にするパラメータを同定値とする算法にした。 2.2実船試験
実船試験は1平成8年12月22日から同月26目に至り、表2に示す試験船を用いて、千葉県君津港から高知県須崎港までを往路(積載なし)、その逆を復路(積載あり)とする航路で実施した。 航路軌跡をGPS/DGPSのデータで描画したものを図4に示す。同図において、印(■)は停泊地、印(口)はDGPSのビーコン局、印(○)は試験開始地点、印(●)は試験終了地点を示す。DGPS受信領域は印(x)と印(x)との間のみで、それ以外はGPS受信領域である。破線は沿岸地形の外形である。試験海域では、DGPS航海データ収録はできずGPSデータであった。 試験時の気象を表3に示す。往路時は強風かつ波高しの状態から徐々に収まる状況の中で、復路時はほぼなぎ状態であった。 (1)制御方式の比較試験 PID制御、アダプティブ制御と新制御方式による制御性能の試験結果にっいて説明する。
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